「ニコール——知性の奥に潜む甘い罠」
彼女をただ「美しい」と形容するのは、あまりに浅はかだろう。
確かに透き通るような白い肌は夜の灯りに照らされるたびに淡く艶めき、
細くしなやかな身体のラインは、触れれば折れてしまいそうなほど儚い。
それでいてどこか男の欲を弄ぶような挑発的な色気がある。
微かに上気した頬、濡れたように光る唇。
何気ない仕草のすべてが、無自覚なのか、それとも計算され尽くしているのか——
彼女の本心を見極めようとすればするほど、その深みに引きずり込まれていく。
彼女は知的で、明るく、独創的。
だが、その頭の回転の速さと奔放な想像力がどこまで純粋で、
どこまで淫らなのかを知るのはほんの一握りの男だけだ。
キューブリックを愛する彼女は、
映画のワンシーンのように余韻と緊張感の狭間を漂う。
「完璧に美しいものには、ほんの少しの狂気が必要」
そんな言葉をふと漏らす彼女の瞳には、冷たさと熱が同居している。
彼女は焦らすのがうまい。
視線を絡めたまま唇を微かに開く。
だが、その距離を縮めるのは決して彼女のほうからではない。
手を伸ばせば届くのに、決定的な瞬間をことごとくかわされる——
そのじれったさに思わず喉が渇く。
彼女が求めるのはただ優しく触れる男ではない。
彼女の知性を刺激し、遊び心をくすぐりながら、最終的には理性を奪い去ることができる男。
心を満たし、そして、身体の奥に潜んだ欲望を目覚めさせることのできる男。
もし、そんな男になれるのなら——
彼女はきっと、すべてをさらけ出すだろう。
普段は冷静で聡明な彼女が、熱に浮かされたように名前を呼び、指先を震わせる瞬間。
そのとき初めて彼女は「あなたのもの」になるのかもしれない。
そして一度手に入れたとしても、
彼女を繋ぎ止められるかどうかはあなた次第なのだから——。 |